都民劇場は、優れた演劇・歌舞伎・音楽を手頃な会費で定期的にご覧いただく会員制の鑑賞組織で、昭和21年(1946)創立の日本で一番古い歴史と伝統を持つ鑑賞団体です。
昭和21年、戦後の荒廃の中で希望を失っていた人々に、演劇や音楽を通して、夢と潤いを提供しようという目的のもとに、学識経験者と当時の東京都教育局関係者らの発案で誕生しました。
創立当初は、歌舞伎、新劇、オペラ、映画をトータルに鑑賞し、ときには制作していましたが、時代が落ち着き、鑑賞する方々の趣味の多様化に応える形で、演劇、歌舞伎、音楽、新劇、映画と、順次5つの専門サークルに分かれ、現在は演劇・歌舞伎・新劇の3つのサークルとなっております。
1946年 | 4月27日 | 東京都教育局において「演劇教室都民劇場」の発足が決まる。この日を都民劇場創立記念日とする。 |
---|---|---|
7月 | 「演劇教室都民劇場」第1回は菊吉幸合同公演大歌舞伎(東京劇場)。 | |
1947年 | 3月 | 「演劇教室都民劇場」を「文化組合都民劇場」に改組し会員制鑑賞団体で発足。 ※運営委員会 委員長=小宮豊隆 副委員長=宇佐美毅・大田黒元雄・河竹繁俊・高橋歳雄・辰野隆・南江治郎・新関良三・野上豊一郎・土方与志・森岩雄・山田肇と会員代表25名 |
6月 | 「都民劇場(現・演劇サークル)」の第1回定期公演はオペレッタ「コルヌヴィ-ルの鐘」(大隈講堂) | |
9月 | 戦後初の文楽・東京公演を実現。(東京劇場) | |
11月 | 10月の宮内府雅楽公演に協力。「芸術祭」に参加し、文部大臣から感謝状を授与される。(都民文化館) | |
1951年 | 1月 | 歌舞伎サークル発足(斡旋制度)。定期公演制は1956年10月より始まる。 |
6月 | 音楽サークル発足(斡旋制度)。定期公演制は1953年4月より始まる。 | |
11月 | 初のオペラ自主制作「ファウストの劫罰」日本初演(日比谷公会堂)。 | |
1952年 | 2月 | 「子供かぶき教室」を東京都教育委員会と共催で発足。 |
11月 | <各流能楽祭>を自主制作(現・宝生能楽堂)。 | |
1955年 | 4月 | 「財団法人都民劇場」発足。「都民劇場」と呼称していたサークルを演劇サークルと改称する。 会長=小宮豊隆 副会長=本島寛 理事・事務局長=糟谷道明 理事=安部能成・宇佐美毅・大田黒元雄・河竹繁俊・久保田万太郎・近衛秀麿・高橋歳雄・辰野隆・中野ツヤ・中野弘・中山卯郎・南江治郎・新関良三・野村光一・堀内敬三・三宅周太郎・山岸祐・山田肇 |
10月 | 新劇サークル発足。定期公演制。 | |
1956年 | 5月15日 | 創立10周年式典を歌舞伎座で開催。 都民劇場創立10周年オペラ「薔薇の騎士」日本初演。(自主制作) |
1957年 | 8月 | フランスのパレナン弦楽四重奏団を招聘(本財団初の海外招聘公演)。 |
1958年 | 11月 | オペラ「ペレアスとメリザンド」(自主制作)日本初演、フランスから指揮者ジャン・フルネ、歌手ジャック・ジャンセン招聘。 |
12月 | 「都民劇場五流競演能」本財団主催。1ヶ月にわたり水道橋能楽堂で開催。 | |
1959年 | 4月 | 映画サークル発足(劇場窓口割引と斡旋制度)。定期公演制は1961年より始まる。これで5サークル制となる。 |
11月 | 劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」日本初演。自主制作。 | |
1960年 | 1月 | 事務局が教育庁福利課から現在の数寄屋橋ビルに移転。 |
1964年 | 1月 | 前年に自主制作したオペラ「椿姫」で毎日芸術賞を受賞。 |
5月 | 日生劇場と本財団のニッセイ名作劇場・子供のためのミュージカル発足。 第1回は「はだかの王様」。 |
|
1965年 | 6月 | 「よいテレビ作品、よい映画を見る会」スタート。第1回は「私は貝になりたい」ほか(国立教育会館・虎ノ門ホール)。 |
1966年 | 5月8日 | 都民劇場創立20周年記念式典を開催。5月8日東京文化会館で祝賀能上演・能「鷺」狂言「髭櫓」半能「高砂」を上演。5月9日祝賀会(東京會舘) |
1968年 | 4月 | 「映画芸術劇場」スタート。 |
1969年 | 9月 | 第1回芸談の会「祖父の芸・吉右衛門の芸」 |
11月 | 「古典芸能鑑賞会」発足。第1回は「井上流・京舞の会」。 | |
1970年 | 6月 | 都民劇場創立25周年を記念し、京都より狂言茂山一門を招いて狂言の大曲「唐相撲」を上演(水道橋能楽堂)。 |
1972年 | 5月 | 会長制より理事長制に改める。顧問=新関良三 理事長=糟谷道明 各サークル企画委員に委員長制を置く。 |
1973年 | 1月 | 「ヨーロッパ古典名作研究会」開催。月1作品半年を1期とし、75年12月まで6期開催。 |
1976年 | 5月 | 創立30周年記念公演「オイディプス王」(日生劇場)。 |
1978年 | 6月 | 文化庁創立10周年にあたり、芸術の文化の振興に尽力したことにより文化庁より表彰を受ける |
1979年 | 5月 | 歌舞伎座三階席「天井桟敷の会」スタート。 |
8月 | 小ホール音楽シリーズスタート。第1回は「東京チェンバーソロイスツ」。第6回まで開催。以降「とみん特選小劇場」に統合。 | |
1981年 | 5月 | 創立35周年記念公演。六代目尾上菊五郎三十三回忌追善「圑菊祭大歌舞伎」(歌舞伎座)。 |
1982年 | 9月 | 「親と子の歌舞伎鑑賞会」スタート。第1回は新橋演舞場、第2回以降は歌舞伎座。 |
10月 | 「とみん特選小劇場」スタート。第1回は「すばらしいアニメーションの世界」(ヤマハホール)。 | |
1983年 | 1月23日 | 「子供かぶき教室」30周年記念式典(歌舞伎座)。1987年より「子供歌舞伎教室」と改称。 |
6月 | 「能楽鑑賞講座」スタート(講師・野口敦弘)。 | |
10月 | 「都民の日・都民半額観劇会」スタート。 第1回は森繁久弥第1回都民文化栄誉賞受章記念を兼ねた「孤愁の岸」を鑑賞(帝国劇場)。 |
|
1984年 | 5月 | 第1回都民劇場特別事業委員会企画による自主公演「裸の大将放浪記」(東京公演)を開催(よみうりホール)。 |
12月 | 古典芸能鑑賞会「能と狂言」は文化庁芸術祭に参加。「自然居士」の桜間金太郎は芸術祭優秀賞を受賞。 | |
1986年 | 1月 | 「都民半額観劇会」東京都、日本演劇興行協会、本財団の三者共催により、春・夏・秋・冬の年4回実施する。 |
1987年 | 5月 | 創立40周年記念、銀座セゾン劇場柿落とし公演「夏・南方のローマンス」を劇団民藝と本財団共同企画。 |
1989年 | 1月 | オペラ「夕鶴」500回記念公演を二期会と共同制作(新宿文化センター)。 |
1991年 | 1月 | 「都民半額観劇会」が年4回から5回となる。 |
5月 | 都民劇場創立45周年記念公演として「中国・上海昆劇団」を招聘。 「潘金蓮」「新胡蝶夢」「昆劇精華」(東京芸術劇場) |
|
1996年 | 1月 | 半世紀にわたる本財団の文化活動に対し、毎日新聞社より毎日芸術賞・特別賞受章。 |
4月 | 「都民劇場50年史」刊行。 | |
5月 | 創立50周年記念事業・中国昆劇合同公演、木下順二作に據る「夕鶴」を企画・招聘(東京芸術劇場)。 | |
1998年 | 7月 | 本財団と共催の「ニッセイ名作劇場」より、永年の功績に感謝状を授与される。 |
2001年 | 3月 | 糟谷道明理事長が顧問、河竹登志夫理事が理事長に就任。 |
2002年 | 3月 | 「都民劇場55年記念小史」刊行。 |
2003年 | 11月 | 「子供歌舞伎教室」が東京都主催から、本財団と東京都の共催となる。 |
2004年 | 11月 | 事務局が銀座・数寄屋橋ビル改築のため、銀座・朝日ビルへ移転。 |
2006年 | 5月 | 創立60周年を迎え記念事業として、前進座の創立七十五周年記念公演と共催で「五月国立劇場公演」を開催。 |
11月 | 事務局を銀座・朝日ビルから銀座・数寄屋橋ビルへ再移転。 | |
2008年 | 3月 | 劇団民藝「浅草物語」(東京芸術劇場)。劇団民藝と本財団との提携企画。 |
2009年 | 9月 | TOKYO京劇フェスティバル主催(東京芸術劇場)。 |
湖北省京劇院・中国国家京劇院・上海京劇院・北京京劇院の4劇団招聘。 | ||
12月 | 歌舞伎座三階席「天井桟敷の会」歌舞伎座建替えのため休館につき事業終了。 | |
2011年 | 創立65周年記念事業を開催。 | |
6月30日 | とみん特選小劇場(第36回)「柳亭市馬・桃月庵白酒ふたり会」(紀伊國屋ホール)。 | |
7月 | 創立65周年記念公演「風と共に去りぬ」(帝国劇場)。 | |
9月10日 | とみん特選小劇場(第37回)「追悼・川本喜八郎の世界 すばらしいアニメーション」(日経ホール)。 | |
10月11日 | とみん特選小劇場(第38回)「白石加代子 百物語」シリーズ第二十九夜(日経ホール)。 | |
10月20日 | 古典芸能鑑賞会(第91回)「都民劇場能」能(金春流)「三井寺」と狂言(大蔵流)「素袍落」を上演(宝生能楽堂)。 | |
12月13日 | 鼓童結成三十周年スペシャル「鼓童ワン・アース・ツアー」(青山劇場)を主催。 | |
2012年 | 2月23日 | 古典芸能鑑賞会(第92回)「都民劇場能」能(観世流)「羽衣」と狂言(和泉流)「樋の酒」を上演(宝生能楽堂)。 |
3月 | 映画サークル終了 | |
4月 | 公益財団法人「都民劇場」に移行 | |
理事長=河竹登志夫 専務理事=糟谷治男 理事=井澤勇治・植木浩・佐原正秀・鈴木勲・西川太一郎・水落潔・邑上守正・矢田美英・矢野誠一 監事=宇津木修・山分榮 相談役=大谷信義・松岡功 評議員=浅里公三・津川安男・西﨑清久・野口敦弘・藤田洋・丸山徹・諸石幸生・横溝幸子 |
||
2013年 | 6月4日 | 糟谷治男専務理事が理事長に就任。(役員名簿) |
2016年 | 創立70周年記念事業を開催 | |
2月25日 | 古典芸能鑑賞会(第100回)「都民劇場能」 能(観世流「鷺」と狂言(和泉流)「二人袴」・(大蔵流)「福の神」を上演(宝生能楽堂)。 | |
3月8日 | とみん特選小劇場(第48回)「柳家権太楼独演会」(紀伊國屋ホール)。 | |
8月22日 | とみん特選小劇場(第49回)柳家喬太郎プロデュース「とみん特選寄席」昼夜2回公演を上演(紀伊國屋ホール)。 | |
10月16日 | とみん特選小劇場(第50回)白石加代子「百物語」アンコール上演(日経ホール)。 | |
10月27日 | 古典芸能鑑賞会(第101回)「都民劇場能」 能(宝生流)「安宅」と狂言(大蔵流)「素袍落」を上演(宝生能楽堂)。 | |
2017年 | 2月24日 | 古典芸能鑑賞会(第102回)「都民劇場能」 能(観世流)「道成寺」と狂言(和泉流)「鍋八撥」を上演(宝生能楽堂)。 |
3月27日 | とみん特選小劇場(第51回)講談「神田松之丞独演会」(紀伊國屋ホール)。 | |
2021年 | 創立75周年記念事業を開催。 | |
2月24日 | 古典芸能鑑賞会(第109回)「都民劇場能」 能(宝生流)「大江山」と狂言(和泉流)「文荷」を上演(宝生能楽堂)。 | |
3月14日 | とみん特選小劇場(第64回)講談と落語「琴調・三三 二人会」(紀伊國屋ホール)。 | |
2022年 | 4月 | 音楽サークル無期限休止 |