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歌舞伎サークル

歌舞伎が大好きな方向けの専門サークルです。
半年間に3回の歌舞伎座の公演をご覧いただきます。

現在、5,000人の会員が在籍しています。

サークル委員長からのメッセージ

歌舞伎サークルへのお誘い

一期一会の大幹部の舞台


桜美林大学名誉教授 演劇評論家 水落 潔氏

二世松緑が「熊谷陣屋」の熊谷を最後に演じた時だから昭和61年のことだ。取材で話を聞きに行った時「若い時は上手く出来なくても次はこうしてやろうと希望を持つ。ところが歳を取ってこれが最後になると思うと、どんな役でも愛おしく、一日一日が大事になってくるんだよ」と語ったのを思い出す。

一年以上もコロナ禍が続き、誰もが今日の平安が明日も続かないことを実感したと思う。歌舞伎界も以前とは様変わりした。長い公演中止の後、昨年8月に公演を再開したものの一座の構成、狂言立て、客席数まで様々な制約が課され、それは今も続いている。歌舞伎座を例にとっても8月から12月までは各部一本立ての四部制、2021年1月からは二本立ての三部制公演になった。座組も花形起用、中堅世代、大幹部中心と色分けされている。

中でも目立つのが大幹部の活躍である。国立劇場を含めて、菊五郎は「身替り座禅」の右京、「魚屋宗五郎」の宗五郎、「四天王御江戸鏑」の渡辺綱、「入谷」の直侍、白鸚は「角力場」の濡髪、「奥殿」の大蔵卿、「河内山」の河内山、「車引」の松王丸、吉右衛門は「引窓」の濡髪、「俊寛」、「七段目」の由良之助、「楼門」の五右衛門、仁左衛門は「石切梶原」の梶原、「毛谷村」の六助、「お染の七役」の喜兵衛、「神田祭」の鳶頭、「熊谷陣屋」の熊谷、玉三郎は「日本振袖始」の岩永姫、「お染七役」の土手のお六、「神田祭」の芸者、「雪」のほか映像と組み合わせた「鷺娘」、「楊貴妃」、梅玉は「曽我対面」の工藤、「源太勘当」の源太、「河内山」の出雲守、「七段目」の平右衛門、「袖萩祭文」の義家を演じた。それぞれの当たり役をすべて蔵出しした感がする。気心の知れた一座で上演した舞台がある一方で、大幹部が相手役に敢えて中堅や花形を選んでいる舞台も多い。白鸚の「角力場」では勘九郎が長吉と与五郎を演じ「車引」は幸四郎、染五郎の親子三代の舞台だった。吉右衛門の「引窓」、「俊寛」や玉三郎の「振袖始」では菊之助、仁左衛門の「熊谷陣屋」では孝太郎や錦之助、吉右衛門の「楼門」では幸四郎が初役で相手役を勤めた。そこには自分たちが到達した芸を見てもらいたいという思いと同時に、その芸を次の世代に伝えたいという役者心が感じられる。

4月の歌舞伎座では白鸚が本公演では初めてになる76歳の高齢で「勧進帳」の弁慶を幸四郎と交替で演じる。富樫は幸四郎で、幸四郎の弁慶の時は松也が富樫を演じる。また仁左衛門と玉三郎が36年ぶりに「桜姫東文章」を演じる。「孝玉」と呼ばれた花形時代の代表作で、昭和歌舞伎の記念碑のような舞台である。コロナ禍がなければおそらく企画されなかったと思う。一世一代とは銘打っていないものの、大幹部にとっては毎日の舞台が一期一会の思いであろう。現代の歌舞伎の集大成の芸がコロナ禍の公演で見られるのである。 ファンには見過ごせない舞台である。

(2021年4月)

2021年度下期のラインアップについて

会費36,000円(第1回~第3回の3公演分)
※会費が追加となる場合もあります。

 

歌舞伎サークルラインアップ